頃、日本の総ての娯楽機関は戦時目的のために縮小して、映画さえも軍事映画しかないようになった。金を持って、緊張する程の職能教育も授けられず、学校もなくなってしまった青少年達は、非常な勢いで社会的な堕落に染まって行った。未成年者の喫煙、飲酒、買婬は驚く程のスピードで無垢な少年達の生活を崩して行った。その結果工場の資材を持出して売ること、そういうもののブローカーをすること、盗んだ資材で、例えばラジオを組立てたり、時計を一寸修繕したりして、それで又金を儲けること、窃盗や詐欺が大変に殖え始めた。世間の注目はこのようにして始まった青少年の生活破産に対して鋭くなり始めた。ところが、忽ちそういう真面目な社会的関心は新聞その他の面に現われなくなった。解決策も対策も輿論によって形づくられないうちに、この重大な社会問題は、揉消されて闇に葬られてしまった。ちらりと現われて、社会矛盾の深い波の蔭に圧し隠されてしまったこの現象は、私達に何を告げているだろう。
繰返しくりかえし触れているように、この事実は日本の生産、経済の機構が薄弱であって、どんなに安い労働力、即ち婦人と青少年の労働に多く利潤を追って存在して来て
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