は全部賛成だけれども、天皇制を廃止しようというのだけが気に入らない、という方もあります。
 けれども、しずかに考えてみると、この好き、きらいの感情は、よほど吟味してかからないと、とんだ私たちの不幸であると思います。
 共産党が、戦争を間違ったことであると主張したとき、戦争気分に煽られた人々は、たしかにその意見を、きらいだ、と思ったのです。にくらしい、と思ったのです。
 ところが、今日の現実は、共産党の見とおしが、全く正当であったことを証明しております。
 本当に、日本が民主の国柄となり、男も女も、笑って働いて、生きて行ける国になるために、今日共産党が、真の民主主義を求めて、主権が君主にある制度に反対していることは近い将来において、必ずや正当であったことを、歴史の事実によって証明されるでありましょう。
 現実の刻々を鋭く見とおして、長い未来に及ぶ国民の幸福の建設のために、計画を立て、一つ一つと実行にうつしているところに、日本共産党のたのもしさがあると思います。
 フランスでも、日本と同じように、今度初めて、婦人に参政権が与えられました。昔からその優美さで世界にしられているフランスの婦人た
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