、究費の配分を決定した。この研究費予算と配分状況はまざまざと今日の日本の科学技術のおかれている窮状を語っている。
 発明奨励委員会や研究復興会議の設立などは何れも研究機関と研究者の窮状を救って平和日本の建設のために活動し得る条件をつくり出そうとして着手されたものである。
 全日本農業技術者連盟(四七年七月)が結成された。これまでの日本の農業がすべて国立試験場、農林省、農業会などという官僚でおさえられていて農民が自主的に農業技術をたかめ農業科学を向上させてゆくという可能が失われていた。この農業における官僚主義は農業収穫の供出に関する官僚制ともなってあらわれる。この新しい連盟が日本農業のこの弱点を改めてゆくことが出来れば幸である。
 アメリカ学術使節団は一九四七年七月日本に来朝した。六名の団員はそれぞれ専門の分野において日本の学界の再建に助言を与えた。


      ※[#ローマ数字3、1−13−23] 文学 映画・演劇 音楽 舞踊 美術
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        1 文学

 戦争は日本の現代文学を殺した。軍部は、ほとんどすべての作家を戦争目的
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