w年末になってきたらたばこ[#「たばこ」に傍点]からウィスキーまで不自由しない状態になってきたことを告げていた。
内申制は高等学校・専門学校入学に際しても中等学校から出された。ここでも、もっと大規模の形であれこれのいきさつが生じている。私立医科大学への入学は入学志望者の学校への寄附額で成績順が決まるといわれている。内申制に関するこれらのスキャンダルは、学制の適宜な運用と、設備の完備と教職員の生活の安定によって根絶されなければならない。私立の幼稚園から高等科までを包括する学校は東京・大阪その他に何箇所かある。これらの学校は子供の才能に従って自由な教育を与えるという主張によって、有資産階級の子供たちを集めている。こういう学校では両親の富の程度が入学資格を決定する一つの大きい条件となっている。親に金がなければ社会的に大きい声望が子供の入学資格に期待されている。
日本に真の民主的教育を普及させ、憲法の第二十三条(「学問の自由は、これを保障する」)、第二十六条(「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。……」)を欺瞞的でないものにするために
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