ヘ六・三・三制の文字通りの国庫負担による教育が実施されなければならない。
今日まで日本の教育行政は全く官僚統制でしめつけられてきている。文部省、内務省、知事、学務部長、視学、学校長等官僚体制が確立している。教育の民主化は軍国主義教育と絶対主義の精神で一貫しているこの体制を打ち破らなくては実現しない。教員組合の活動と平行してK・M・Kの努力が期待される。日本に初めて学校の運営法にまで関係する親たちの組織としてP・T・Aがつくられた。民主化を希望する進歩的な教師と見識のある親たちの協力は教育民主化のために貢献するところがあるだろう。しかし保守的な教育の官僚たちはP・T・Aを眠りこませることに努力している。組織の決定的な部分に古い官僚をはめこむことに成功している。だんだん両親たちの自覚がたかまりP・T・Aの機能を麻痺させようとする古い要素の更新がなされなければならない。
教科書の問題 軍国主義的なそして絶対主義的な教育の中心となっていた日本歴史教科書がまず改正され『くにのあゆみ』が新しく編纂発行された(一九四七年三月)。この『くにのあゆみ』は真面目に研究批判されなければならない種類の教科
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