xの改革に関する指令」の内容が明らかにされた。それは一、教育の機会均等、二、教師の社会的重要性、三、教育行政における地方分権の実施要請等を骨子としている。
世界労連の代表が日本へ来たことは、日本の教育の実状が側面から具体的に観察される機会となった。
「少年の町」の父として有名なフラナガン神父の来朝したことは、日本の浮浪児救済事業が全く未開発であることを世界に知らせた。同時に政府にとっては、自身の無力に対する非難をフラナガン神父に集まる民衆の好意に方向転換する好機となった。
アメリカの人権擁護協会理事ボールドウィン氏が来朝したことも、日本の民主化の現実を世界に知らす上に役立った。日本において言論の自由が案外抑制されている事実、報道の全面的自由は失われていること、出版に関する種々な抑制的条件のあることも世界に知らされた。基本的人権の尊重に関するこれらの問題とともに、教育の面にあらわれている基本的人権の尊重の実際について大きな示唆を与えた。
選挙と教育者 一九四七年四月の選挙に教育者関係の当選者は衆議院では二〇名が当選し、その中一七名が前代議士であった。参議院には民主的教育者三名が全国
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