を生む社会[#「社会」に×傍点]主義的な方法で耕作するために、随分富農や反動分子との闘争を経て来た。
第一次五ヵ年計画のすんだ今では全農戸の七割が集団農場化し、耕作機械、刈入機械の配給所は三千百ヵ所にまで殖えた。耕地面積は五年前を一〇〇とすると一四五で、世界のよその国ではアメリカでも農業恐慌で耕作面がどんどん縮少しているのに比べて実に大した違いである。
農民の収入も自然と年々高まって来ている。
集団農場にも種類があって、単に蒔つけ、刈入れ、虫とりなどのような時だけ集団的に皆で働く初歩形のものから、すっかり何も彼も共営でやって行く形まである。今日では初歩的なものが段々完全な共営にまで発達しているが、集団農場が結局農民にとって得であることは次の条件を見て明らかである。
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一、集団農場に組織されて二年間は税を免除する。
一、その後の税率は、集団農場の全収入を集団農場員の頭割にして、その額がその地方の個人経営の農民の平均収入より少なかった場合は免除。多かったら、個人経営の農民の払う税の三割から六割減の率で払う。
一、集団農場員が冬の間に入用な薪を
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