に。次々と様子をお知らせいたします。
九月十五日 [自注26]〔網走刑務所の顕治宛 山口県光市上島田より(封書 書留)〕
九月十四日
さて、この手紙は島田で書いて居ります。あの二階で。
五日に、切符が買えたとき埼玉県へ打った電報が六日にわたしの行ったときまだ着いて居ませんでした。七日に、てっちゃんとうち合わせの電報もつきませんでした。こちらへは、手紙を頂き、来る決心をしたときすぐ(四日)電報うちましたが、そのウナは、十三日(きのう)わたしが来ても着いて居りませんでした。妙ね。手紙の方はどうやらこの頃よく着きますが。従って、おかあさん達にとって、きのうの午ごろ、わたしは突然現われたわけでした。
大分苦心して郡山から島田迄の切符を買いました。それが五日。六日に出発して、その日の午後埼玉県の久喜に途中下車。荷物のことや何かいろいろ世話になった友人のところへよりました。七日はそこにいて、八日てっちゃんのところへ行く予定のところ、八日マッカーサアの東京進駐で、いくらか普段と違うというので用心して九日てっちゃんのところへ行きました。どこでもいろいろ新しい用事が出来ていて、いろいろ話し
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