て、しかし其の作家の生涯に影響したという点で同じように興味あるものではないでしょうか。
 神々の復活 レオナルド・ダ・ヴィンチ メレジュコフスキー これは面白いと思っていまだに覚えている小説です。岩波文庫の四冊です。
 北方の流星王 箕作元八 スウェーデン史を読物風にかいたので、これは彼のナポレオン時代史を官本でよんで面白かったので買ったままよまなかったもの。
 老妻物語 アーノルド・ベネット(岩波文庫、二冊)一九〇八の作で代表的なものの由。わたしは余り知らないので読もうと思って。オールド ワイブス テールズだから、妻というより女連という感じですね。しかしむずかしいから妻にしてしまったのでしょう。
 大帝康煕 長与善郎 岩波新書 近代の明君と「支那統治の要道」をかいた本らしいけれど、近頃の長与善郎は文章に流動性が欠けて。
 移動させてもって来た本たちは少くて、大した優秀なコレクションでもありません。ほかにセザンヌ、コロー、ゴヤ、ドガなどの本。
 さて、島田からおたよりがあったでしょうと思いますが、達治さんが応召しました。七月の中旬に。もと入隊したところの由ですが、八月十日頃こちら辺と同
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