れにしてもこの前のバルザックや語学の本はついたのでしょうか。ついているのね。きっとついているのでしょう。
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目録追加。
日本美術の知識 改造文庫上下 中村亮平
トルキスタンへの旅 タイクマン 神近 岩波新書
マリアット ピーター・シンプル 岩波文庫上中下、
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これはいつか私がまだ病気だった頃よんで貰ってお話していたイギリス海軍生成時代のことをかいた十九世紀はじめの小説で、ユーモアにみちていますがなかなか内容あり。これをよむとサッカレーの「虚栄の市」を思いおこします。インドで儲けはじめた時代のイギリスと、シンプル坊主活躍のイギリス海軍の時代とおのずから連関して。
浮生六記 沈復(岩波文庫) これは沈の自叙伝。支那文学中最も愛すべき女とされている妻、芸の追想に、彼の芸術家としての諸芸術への識見が洩らされていて、文学として大なばかりでなく支那の大家族の風習や民法に対する一つのプロテストであるそうです。
『中世モルッカ諸島の香料』岡本良知。これは十五、六世紀のヨーロッパ人の発見航海時代と、香料の役割=モルッカの役割を辿ったもの。モルッカ民族の生
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