かいものをたべているんだもの、わたしはそういうのは楽でないのですから。よかったわ、もうこの次の第三次の本引越しについてはもうわたしも御免を蒙ります、二度のことでわたしの分けてやれるものは皆わけてしまいましたしね。きのうは行きたくなくて、きょうも疲れがありますが、でも本当によかったわ。やさしさ、親切は心の活々とした、少くとも想像力のある人間でなくてはもてないわ。思いやりなんて、わが身の痛さではないのですものね。
川越の先の部屋を二十日すぎというから多分木曜頃見にゆきます。そして、又こちらへすこしうつしておいて、それからやはり余り予定狂わさずに島田へ行ってしまいましょう。五月頃東京にいないとこまることになるかもしれないから(御託宣めいているかしら)うちへ子供の洋裁や私のもんぺ縫いに来てくれる洋絵勉強の娘さんが、倉敷の大原コレクションを見たがっているし、わたしはまだ一度も見たことがないから、行きに倉敷でおりて、それを見がてら少し休み、あとは近いから娘さんはそこから戻り私はひとりでゆくということにいたしましょう、いい都合でしょう? おべん当二度分もってね、よく研究してすいた汽車を選んで。荷物
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