、時は遅くても且つ迅い、ということを痛感いたします。生活のテンポが時間という鞘から抜けて走ります。新型ドン・キホーテとはうまい表現ですね。この春をうまく合理的にすごしたらきっと丈夫さが増しましょう、しかし眼はよほどゆっくり思っていなくては。島田へ行ったらうんと早ねして、午前中起きていとうございます。
十三日の誕生日は、鷺の宮へ行ってすごします。泊らず。あなたのお祝いは何を頂きましょうね。ビオスボン届いて? あれでもボンというからにはボンボンなのね。そう思って、とどけました。わたしのボンボンは本当にまがいなしの Bon! Bon! で、あれは不思議なボンボンよ、みると。こっちの体じゅうが惹きこまれてしまって。十三日には、心祝いに、読み初めをいたします、第二巻から。又はじめに戻ると、こわれた時計みたいにグルリグルリ針があと戻りしてきりがないから。島田では文学のつづきよみます、あれこれ。冨美子が三月に卒業いたします、お祝いになる本さえなくて大弱りです、勝の初めての端午よ、子供たちも其々存在をとなえておもしろいしおばちゃん大抵でなし、では又。
[#ここから2字下げ]
[自注2]川越の先の部
前へ
次へ
全357ページ中43ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング