もう書きものはおやめでしょうし。手がつめたくて書きにくいでしょう? 森長さんのところへ電話したら、二年生(?)の男の子が出て、ア、ア、モシ、と云いました、笑えました。のちに又かけましょう、ねる前によ、勿論、御安心下さい。
 今年の正月には恒例の寄植の鉢もございません。何か、花と云えないようなカサカサのものがちょぼっとありますが。
 だからことしはいい花を上げようと考案中です。題だけはもう読みました。指頭花というのよ、ちょっと珍しい題でしょう、われら愛誦詩の作者のものですから、よく読んだら、きっと素晴らしい迫力があって、年頭のうたにふさわしいものでしょうと思います。いずれ御披露いたします。この詩の連作に、雪は花びらに溶けて、というのもございます、御存じでしょう。再び冬はめぐり来ぬ、あはれ、わが春ある冬ぞめぐり来ぬ、といううたい出しです。薄くれなゐの花びらに、ふる初雪のさやけさよ、とつづいていたの、ね、では又。

 十二月二十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

 十二月二十六日
 まだ午後二時だのに、日ざしは少し赤っぽくなって斜光の工合がいかにも真冬らしゅうございます。き
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