光沢がうせて。あのひとの光沢は、何と云ったってゆとりから丈のところがありましたから。今の家は電燈もないのよ、都会風の意味では障子もないのだって。寂しいようにもなるわね、東京へ出て来たって昨今のように夜がこわいと、自分の生れた家へは泊れず、つい坂一つあっちの春江のところにとめて貰ったりして。本当に本当に気の毒です。
 きょう帰りに、正月号の雑誌をしらべに本やによりましたら、十二月の『文芸春秋』はまだ出て居りませんでした。未曾有のおくれかたです、お正月に十二月号、正月下旬に正月号となりそうです。紙の都合その他ね、すべてこの順で、年鑑もいつ頃出るでしょう。本は殆ど全く新刊はありません。
 隣組の用事で、ちょいちょい立ったりしてこれをかいているうちに、もうすこし薄ぐれて参りました、寒いことね、今眠さむなのです、眠い眠いの。そして伝八さんの細君は参りません。三時すぎてはもう来ますまい、夕方の用があるから。
 今夜ユリはホクホクよ、早く御飯たべて、さっさと七時になるやならずにねてしまう計画です。夜中におきたって、其なら幾分寒さもしのぎよいでしょう。
 今時分横になって何をしていらっしゃるでしょう、
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