鳴ってかけ出す線はそこまでは来ているわ、ね。
そういうところから云うと、「風に散りぬ」は古い作品です。題材が一八〇〇年代であるばかりでなく、作者の人生への角度が、気強い悧発な強情女らしい古さをもって居ります。
この頃、そちらに待つ間に「アメリカ発達史」をよみ、南北戦争の時代のところなど大いに面白うございました。所謂再建時代の悲惨の根底も分り、あの作品がその具体的なところをよく描いていることも一層よく分りましたが、しかし、というところが、芸術というものの急所なのね。あの歴史の方が、本質的には芸術的です、何故なら、そのときどきの具象性を一貫した人間の発達の道程というものをとらえて居りますから。題材は雄大ですが、やかましく云ってあの作品に本当のテーマはないのよ、あの作者は、その時代の波瀾推移に興をもったでしょうが、其の波瀾が何に向っているか、という一本の生命はつかみませんでした。
「アメリカ発達史」は、うまく整理されているいいテクストですね、もしあの参考書がよめたらさぞ面白うございましょう、そしてね、あれをよんでいるうちに、アメリカが「新世界」であったわけがまざまざと分り、同時に憲法とい
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