ってくれていた、あの人もゆき、改造が閉鎖ですから(命令で)その苦しい方の組でした。細君がこれからやってゆくの。日本評論の人もゆきました。もう一年分継続するよう計らっておいたとはがきくれて、もうそのときはいなくなったのよ。戦争の後段に入って出てゆく人々の見送りは何と申しましょう。「歓呼の声に送られて」と旗を振って出た初め頃より沈痛であり、国民軍という感がひとしおです。では又、お大切に願います。
八月二十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
八月二十八日
夕立でも来そうな工合になって来ました、おなかの工合いかがでしょう。きょうは久しぶりの二人遊びでうれしいけれども、どことなくおとなしい遊びぶりよ、あなたのおなかが何しろそんなあんばいですし、わたしもトーモロコシで底ぬけ気味で、朝おかゆたべ、今パンたべ、砂糖なしの紅茶のんだところですから。あんまり声も大きくなく、けれども飽きることを知らないで、あれこれと話すそんな二人遊び。
さて、ここに、七月二十四日、二十七日、八月七日、十一日と四通のお手紙があります。二十四日について、この前の手紙でかいたように思いますが。二十七日
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