わたしは、いい加減がまんするけれ共、寿と国とが、そういう状態でいる間にはさまって、両方へ気をつかって、寿は寿、国は国で食事するなんていうのに奉仕は出来ない、と。国が二十五日にくり合わされれば、わたしは国と開成山へ行き、寿の引越しは咲がいてやればいいでしょう。国は、わたしが寿に何でももたしてやってしまうと心配かもしれないから。わたしと咲が東京にいたのでは国、ぞっとしないし、開成山へ行けない由。あっちで女中と子供のところへとびこんで、どうしていいか分らない由。大人の男にもこんなのがあるのよ。きのうから国府津へ二人で行っていて、家の最後的片づけをやって居ります。その合間に、グテグテ相談して、きめるのです。今夜かえると決定がわかるという次第です。それによっては、二十五日に行くということになりかねないのですが、どうなることか。結局咲をつれて行ってしまうのかもしれないわ。さもなければ、急にあしたお目にかかりに行ってバタつき開始ということになってしまいます。自分が行くなら、もって行きたい荷物だってあるわ、いやね。歯の治療は今日が最終で、四月下旬以来の行事が終り、一安心いたしました。下の方の古いブリッ
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