験でも一見下らなそうな家事のことも本気にかけばやはり自分でしたいの。
四月十日 (消印)〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(絵はがき)〕
四月〓日でも片はじから書いてしま〔数字不明〕小説のテーマなんかずっと心に〔数字不明〕毎日それについて考えているのはたのしみです。
〔二、三字不明〕云ったことは何か新鮮なものを自分のなかに生んでいて、それは生活環境が目白とちがうことと結びついて、やっぱり一つの新しい面を自分のうちにひらきつつあるのを感じます。
四月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(京都三千院の写真絵はがき)〕
ふと思い出してかきます。着物のこと栄さんでわかるようにしておくというのは、もしここが灰になって私は役に立たなくなったとき、当座たのめるようにしておくということで、今から日常的に助けて貰うというのではありませんからお送りかえしのものはここへ願います。念のために。寿江子が何だか混同したように云っていたから。
四月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(中村彝筆「エロシェンコ像」の絵はがき)〕
今朝は何とこころもちのよい目ざめだったでしょう。湯上り
前へ
次へ
全440ページ中81ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング