。一行おきにかくのです。するとそう気もちにひっかからないの、目も楽ですし。それを清書すればいいわけです。
その上、一度印刷してあるものをなおしてゆくという程度の仕事が大変ふさわしいのね、書き下すほど疲れず、しかも十分仕事としての緊張があり、且つ〆切りもなく又枚数もなおす範囲で自由で至極工合がようございます。もう一つ「杉子」という小説があるのよ、短篇で。『新女苑』に出したもの。これも夏の休みの間に満足ゆく迄手を入れて見ます。
却って、夜よく眠り、気分もよく食べるものも美味しいの。ぐみ頭の件は、いく分気にいらないところもあるが、決してさしつかえなく、いく分改良して居ります。目白のお医者様に寿江子からきいてもらったら、よく分らないが、あっそれは、とすぐ見当のついた風だったそうです。会って話すということでしたがやたらに忙しくて、まだ見えません。あすこでは女の子が生れました。戸台さんという家には初めて男の子が生れました。女の子の名は晴子だそうです。どっちの赤ちゃんもまだ見ませんが。あすこでは悠吉さんという二番目の、私の名づけ子が秀逸よ。
これをかいている机に坐って、みどり色の原稿紙に、製図
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