い。オリザビトンのことだと思ったのでした。ビトンは目下、粉末しかなくて、これから先も錠剤等は出にくいそうです。ですからこれは駄目で「ユガマン」と言っていたのは、ペンさんが近藤で口をみて発音を聞いたところ「ユバモン」というのでした。オリザビトンの代りにはこれが一番よさそうです。一回一―二錠、一日三回、三百錠十一円。オリザニンは専門家にいわせると、気やすめ程度だそうです。わけて二つのむならBはメタボリン錠の方が実効があるらしい様子です。
 毛布のこともそうとわかれば、これまたお気の毒でした。十二月までには何とかなりましょう。袖のある夜着は、今のでは寒中お困りでしょう! 洗濯毛布が入って毛布が二枚になったら、厚い夜着と代えることが出来るでしょうか? 夜着は十二月に出来ますが、ダラダララインは、今私の舌たらずな発音では大変言いにくくて、ダアダア、アインと聞えるそうです、一層悪いわね。
 大学書林は一年一回出ていて、今あるのはそちらへすぐ送るように頼みました。
 ヘルマン・ヘッセは本郷辺は売切れですから神田をみましょう。こんなありふれた本でさえ増刷を制限しているものだからこの始末です。楠書店はま
前へ 次へ
全137ページ中91ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング