から貯金して今日の基礎を作ったというようなことを平気で書く人だから、色々のことが眉つばものです。この人が玄米食のことなんか言うと台所にはきっと小さいモーターの臼がありでもするのだろうと、自からカンが廻るのが自然です。今、私の受けている特配は、牛乳二合のところが一合、砂糖が〇・八斤、八百屋もの少々。バタ等ですが、八百屋が十一月から一日一人二十五匁ずつの野菜を配給することに決りました。二十五匁というのは小さいジャガイモ二個です。大きい胡瓜《きゅうり》は三十五匁もあり、お薯《いも》などは大きいと四十匁だから、こういうものは一日一本はあたらないわけです。魚は二十五匁が一日置きの予定のところ三日から五日置き。町会では八百屋が一日一人十五匁と言ったのを二十五匁に増したのだそうですが、一日置き、又は二日三日も飛ぶかも知れずなかなか台所はキチキチです。
 オリザビトンは今後は発売されない[#「されない」に傍点]ということは、もう前便でおわかりになったでしょうか。代りの薬として、ユガマンと言っていたのはどうも聞きまちがえらしくて、二三日中にペンさんが近藤へ自分で行ってはっきり調べてきてくれます。三〇〇錠
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