良少女でないかぎり結局は親の云うことにしたがわなければならない」(それは売られてゆくことよ)という文句があってそれも忘れられません。「根っからの不良少女でない限り」とそういう正当な抵抗が対比されているところに、ああいう環境の深い浪曲性があるとも思われます。その痛ましさを彼女たちのために感じている批評はありません。
 茶の間のタンスを本棚におきかえる話ね、まだ実現しないのよ。ひどいでしょう? 暮のギリギリ迄私忙しくて布地を寿江子に買わしたら一枚分しか買わず。やっときょうまわったらそれは売れ切れてしまっているの。寿江子たちどうして時々ああして変に上の空なのでしょう。まるで気取って歩くために行って来るみたいに用事の中心をいいかげんに忘れて。若い女の上の空性、実に私はきらいよ。何とかちょいと鼻を鳴らすとその場はごまかして。何だかズルリとしている。その不気味さ。そしてこれはきっと勤労生活をしない娘にひどいのだと思います。(ここであなたは苦笑なさりそうね。私は、そうひがむ[#「ひがむ」に傍点]のよ。ハハム、上には上があると見えるね、と。そうでしょう? ちがうかしら)頭の機敏なこととそういうところで
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