ちを感動させ六〇六号が何故六〇六号という名をもっているかを知らせた主役のロビンソンはアメリカの俳優です。ロスチャイルドの傑作、その他。妙なことをいう人があるものね。アメリカが気にくわんというのとは芸術家だったら別箇にわかりそうなものだのにねえ。せかついた世の中になると、めいめいが自分の専門の魂を自分で見失ってしまうようですね。どしどしといろんな専門の分野で専門から滑り落ちてゆく人がダンテ的姿で見られるという次第でしょう。
 ホグベンの「百万人の数学」が紹介されたとき日本で忽ち『百万人の数学』という本をかいて、それが悪い本だと云って石原純や小倉金之助におこられた竹内時男という工業大学教授があってね、その人が、この頃は「科学のこころ」というようなものが出て、その程度でいいものだとでも思ったと見えて「人工ラジウム」というものを特許局に請願して許可になりました。医療用として。ところがそれに対して、囂々《ごうごう》たる批難が学界におこって、日頃はあんなに仲もよくない物理・数学・化学その他の専門部が一致して物理学界の例会で討論をやり、竹内時男という人の学者的立場は、そのにせものの本来をむき出しまし
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