です。砂糖の切符をみせるのですって。そして、その人の割で売ってよこすのです。米も一日に一回二升までで毎日二升いるうちでは日々買いに行っているところがあります。うちは組合で、そうしなくてもいいのですが。東京は二合とすこしになるのでしょう一人一日。御飯のお客なんかは出来なくなります。
いまに島田へゆくのにも、自分の分の切符持ってゆかなくてはならないことになるかもしれませんね。
ああ、有光社という本屋を御存知? そこで短篇集を出したいのですって。いろんな人のを出すのですが。インディアン・ペイパアは字引にしかつかわないのかと思ったら、その本やはそれを使ってポケット型にして一円の本にして五千刷るのですって。四月末に原稿が揃えばよいとのことですが。三百頁余で。どんな風に揃えられるかまだ見当がつきません。前の二つに相当入れてありますから。有光堂はお茶の本、仏教の本など出していて、自分のところでは二万は確実に読者をもっている、というようなことを云って居りました。一ヵ月に四五冊ずつ出してゆくのですって。何だか荒っぽい話ねえ。若し特別な支障がないと今年は今わかっている分で五冊まとまる筈になっているので
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