ですが、人々は普通、あのことをあのこととして、このことをこのこととして理解することは出来ても、あのことと、このこととの間のつながりを見出す力は非常によわいのね。一寸頭のまわる人間は要するに、そのつなぎめのところでいろいろうまく立ちまわるのね。よいことも醜悪なことも何かそのつなぎめのところに発生いたしますね。実に妙なほど、神経にぬけたところ、頭のぬけたところがあるのね。例えば歌よみの吉植庄亮という男は千葉で大地主で多角経営をやっています、代議士よ。蘇峰そっくりな顔をしている。そして自分で百姓百姓という。この男が、米のことでいろいろ話します。四五年前、ゴムローラーで白米にすると、同じ一石に米粒が多く入って百姓はそれだけ損をする、米もくさりやすいということで、いろいろ運動した。竹内茂代という女の博士が白米廃止運動をそのときはじめ「これだけですね、ものになったのは」と云っている。吉植の考えのポイントが、竹内さんにどううつっているのでしょう。竹内さんはお医者として云っている、賛成しているつもりなのよ。こういう組み合わせ。ひとの説に賛成するしないの機微。バルザックやスタンダールはこういうモメントを
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