うことが、ね。
 こういうものの書評がじっくり出来たらいいのだが、と思います。
 金星堂の本、送って来たのをすぐそちらへ一冊、島田へ一冊お送りいたしました。あの表紙は何か生活の音があるようで好きです。なかどんなのかしら、そう思うような表紙でしょう?
 隆ちゃんへの袋も、この頃はなかなかむずかしいのよ、物がなくて。甘味類のカンづめがすっかり減って居ります。カン不足ね、大体。富雄さん中支派遣で、ハガキをよこしました。本部づきになっているとかの話でした。ハガキとは別に。本部づきでは、あのひとの性格の、どういう面が果して発達するでしょう。達ちゃんのように技術があるわけでもなし。本部づきなら決して不自由しない。そのことは、一般からみれば特権です、それが、どうあのひとに作用するでしょうか。いずれこの人にも袋送ってやりましょう。この頃はちょいと入れると十円よ、一袋。
 休養の話、それに対する心組の話。よくわかります。私の表現がはっきりしなかったのでしょうけれど、ここに云われているように感じているのよ根本には、ね。冬は暖いところへ、夏は夏を知らないところへ、なんかと考えるわけもなし。ほんとにリュックに
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