荒さをそれなり肯定しているかもしれなかったりね。しかも、どうでもいい大まかさを持っている方が、生活の意欲の逞しいのは快いとする、その点では一致して、その内容では敗北していたり。なかなかこういう人間関係面白くて複雑ね。こういう小説面白いでしょうね。
 小説の面白さこんなところではないこと? ねえ。私もすこし大人になって小説の真髄にふれかけて来たかしら。事柄が小説でない。それは勿論だわ。テーマだけが小説でもない。そうだと思えるわ。心理というものを所謂心理小説で扱ったのも誤って居ります。ドストイェフスキーの歴史からみた負の面はそこでしょう。
 私のこの間のロバのバタバタも面白いわ、そう思ってみると。あなたの動機は清純なのよ。私の感情の方がケチくさいのよ。単純なめかたのはかりかたではそれきりよ。私自身これ迄そういうはかりしか自分たちの生活にとりつけていなかったようです。そこにはモラルがあって小説はないわ。私はロバになる自分をも心持の生々しい姿として、あなたにつたえ、しかもそこに私のけちくささだけに止っていない歩み出しをつけてゆけて、やっぱりこういう生活方[#「方」に「ママ」の注記]が、高いと思
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