マヤコフスキーに「南京虫」(クロプイ)という劇があって、現在はどこにでもいるクロプイが、或る時代には全く標本しかいなくなって、南京虫、ネップ、ビュロクラートみんな標本として博物の教室で学生が観察する芝居がありました。舞台に大きい張りものの南京虫が出て来るのでした。
 さち子さんは三十一日に田舎へ行って、もう二枚もハガキくれました、二枚とも目白四ノと書いて三に直してあります。四ノ六二? かがうちだから。きっと随分書いているのよ、ね。旦那さんは細君と子供とがいなくて、さっぱりしたような淋しいような工合でしょう、おばあさんどんなにしているか、見て来ましょう。あすこのおばあさんは、本当に真白な髪で、深く腰がまがっていて、腰を曲げたなり袋をふりまわしてお買物です。
 この頃は、牛肉がちっともありません。鶴見かどこかにある巨大な屠殺場では一日七頭の牛を扱っているぎりだそうです、牛として来れば、どこから来ても一頭いくらと公定で、肉となってくれば、近江一等肉ならそれとしての価でうれるわけです。従って、料理屋には入るが家庭には入らず、という珍現象です。うちのもう何年もとっている店も休業中です。
 岩手が
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