くそして単純ね。その寂しさをそれなり透明な光で射とおしてしまうのが、寂しくてそして明るいという、そういう美があり得るわけです、こんな風にして、成人してゆくのねえ。今の心持が私には興味があります。
 こうも思うのよ、誰が見たって自分で考えたって一応はそれが一番いい方法というその方法になかなか自分を従わせることが出来ないで、そして、こういう風に大きらいな一人暮しをもやっぱり自分のなかにとりこんでしまってゆくところ、そこにつまりは人間の面白いがんこさ即ち小説があるのではないか、と。人生におけるその作家[#「その作家」に傍点]の線のひねりかた面白いわねえ。実におもしろいわねえ。常識の判断でだけスラリヒラリと身をかえせたら、やっぱりそれだけのものだわ。なかなか味がある、という、どうもそういうところ迄わかりそうな気がして、たのしみのようです。動くとしても、もうすこし、この味をかみしめてからよ。六年ほど前上落合に一人いて、あのときも一生懸命暮して、「乳房」のような愛すべき作品をかいて居りましたが、あのときなんか、寂しさをやっぱり見たくないつら[#「つら」に傍点]として日々の中ににらんでいたわね、どう
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