事へではないわ。これは大略、世界の女の苦しみでしょうね。
そう云えば栄さんが『暦』で新潮賞一千円也を貰います。そして、いろいろ計算すると、借金をかえし貸金をさせてやると、五十円ほどのこるそうです、それで私たちに御馳走をしてくれるそうです。中野さんが『三田新聞』に『文学の進路』の書評をかいてくれました。この本は面白い本である。本の形は小さい。けれども読むと中味において大きいという本である。大きいというより誇張にとられても困るけれども、一種壮大なところのある構造物といった感じの本である。そんな風な書き出しです。『都』に『第四日曜』の書評が出ていて、ぎごちなさや固苦しさやがあるけれど心にふれて来る作品集とあり。ぎごちなさ、かたくるしさというものについていろいろ興味ふかく感じました。ここにいろいろ面白い問題がふくまれているわけですから、芸術家の課題として。そして、客観的には、その動機が何であれ、かたくるしさとしか読まない読者が読者なのでありますから。小説は面白いことねえ。くるりくるりととめどなく流暢になることではなくて、云ってみれば、ぎごちなさそのものが美の魅力となるまで作家の努力はつづけら
前へ
次へ
全471ページ中104ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング