イ今回はのこりの分担 一〇・三〇銭だけ支払。
[#ここから1字下げ]
(三)[#「(三)」は縦中横] 逸見上申 四通 三・一六
同 二通 二七・二八
宮本公判期日変更願其他 二通 一一・九九
木俣鈴公判四通ノ中 二通
七・五〇
上申 二通ノ中 一通
(四)[#「(四)」は縦中横] 速記 六月二十一日以降 五月二十八日
七月 二日 五六・〇〇
七月二十日
五月四日、十八日 二四・〇〇
八月十日分 一〇・〇〇
計一八一・九六銭
内十二月 一〇〇・支払
一月二十日 八一・九六銭支払
右の工合です。
これはこれだけで。
[#ここで字下げ終わり]
一月二十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
一月二十三日 第六信
きょうは何年ぶりかに雨かと思ったら、やっぱりいいお天気になりました。
ゆうべは座談会で、日比谷の陶々亭を出ようとしたら雨になっていたので、あらと思い、雨の音を珍しくききながらいい心持で眠りました。すこし風があることね。今は月のない夜ですね。でも雨降りの夜であったことがないのは面白いこと。一遍も雨がふっていたことはこれ迄もありませんですもの。
ゆうべは、さち子さんの姉さんが宮城県から出て来ていて、身の上相談的なことで、かえるのを待っていたものだから、疲れているところを又相手して、おそく湯に入りました。雨の音をききながらお湯に入っていてあっちのうちの風呂場思い出し、夢中のような心持でお湯に入ったことや、ブッテルブロードのことや、こまごまイクラが丸く赤く光っていた様子まで見え、ちょこんとした浴衣の花模様など、大変大変ゆたかな晩でした。
そして、床に入りながら思ったのよ。今年は思いもかけないお歳暮だのお年玉だのを私は頂いたのだけれど、私はあなたに格別いいものもあげられない、と。私だって、どんなにかボンボンをあげたいでしょう。ボンヌボンヌを。私の御秘蔵のボンヌは決してありふれてはいないのだけれど。残念ね。「化粧」というソネット一篇ぐらいしかあげてないのですもの。私も、今年は今年の
前へ
次へ
全236ページ中17ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング