。二十四日に下すった電報勿論頂きました。二十四日に手紙かいて、それを出しに行っていた間に電報いただいたのだったと思います。きっと又その後すぐつづけてかいた手紙御覧になっている頃でしょう。私はつづけて一つと、あと二十九日と、かいて居ります。そして、これ。明日は父の命日でというようなこと二十九日にかきました。そちらのは二十七日づけ下すったのが三十一日についています。
 さて、せめてバラやカーネーションが美事だったとはいささか心なぐさむことだと思います。よかったこと。でも玉子がお金とはすこしつまりませんね。だって、お金では、ね。私の素志が実現されようもないのですもの。やっぱりないのでしょう。そちらではあがれていますか? こっちは市場で午後四時ごろ売るのですが、前から行っていてうまく買わないとすぐなくなります。随分玉子たべません。たまに多賀ちゃんが買って来ると私がよろこぶので、子供みたい、と笑います。あの子は特別よ、だって玉子たべあきて育ったのですものね。今は野原には一羽も居りませんが。鶏舎がまことに堂々たるもので、そこを改造して朝鮮人工夫の家族がすんでいます、そして冨美子がそこの子とよく遊ん
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