もう僅で本年も終ります。
 多賀ちゃんのこと。多賀ちゃんが一番ためになったのは、私が若い女のひとの生活上の様々の点で、肉親であるとないとにかかわらず出来る限りしていい範囲のことはしてやるということを学んだことでしょう。あのひとのこれまでの圏境は、何かためにいいからか義理があるかしなければ、人にしてやるということを考えない中で育って来て、自分に対してされる親切も、つまりは若い女として自分の可能をのばさせてやろうとする心からだけされていて無償のものだということを知ったのはいいことでした。男のひとと女とは、若い人のもっている条件がちがい、女には特に女の先輩の力が入用です。そのことは知ってよかったのね。それで、野原の裏の地面のことああいう考えかたになったのよ。初め頃は、今更そんなこと要求されたりと、野原側で考えていてね。あのひとが少くともいくらかよりひろい見地に立つことを学び、それをきくことを学んだことは、将来の皆のつき合いのためにいいわ。
 女の少しどうかあるひとは「書生を養う」のが好きで、自分の世話した若い男が世間的に立身するのをよろこぶが、そこが私に云わせれば、古い女の古さです。女こそ女
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