ていなくて。あの人はああいう雑な頭でしたか? では又ね、きょうは、お礼よ。
十二月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十二月十四日
きのう十一日づけのお手紙、そしてきょうは十三日の朝の。ほらね、やっぱり笑えたでしょう? 本当にいい心持ね。何とも云えず愉快なところがあって、からりとして、ぐっすり眠るところがあって。何という知慧者でしょうと三歎いたします、しかもユーモラスであって。ねえ。いいわねえ。情はひとのためならず、と昔のひともわかったことを云ったものだと思われます。
あなたのところにもある快活さ実によくわかります。笑えるという、その目元、口元まざまざと。リアリストであるということは何と幸福でしょう。
よろこびのいろいろなニュアンスが重ねられて、生活の美しいかさね色がつくられてゆくということを考えました。たとえば、長詩の五版連出の面白さ、たっぷりさ、うれしさ、独特でしょう? それとは又違った散文の表現で、しかもバーンスの詩に近いような生活力の溢れた作品での面白さ、たっぷりさ、闊達さ。この闊達さこそ、何かこの傑作の精髄ね。二人を笑わせよろこばせる骨頂ね。
そ
前へ
次へ
全590ページ中549ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング