うに御自分宛ではないの? 本当にそれは何と自然でしょう!
「南京虫」という芝居を見ました。このお手紙で、あの陽気な場面が髣髴《ほうふつ》いたします。クロプイという題。クロプイは或る歴史の時期がすぎるともう動物学の標本にしか存在しなくなるの。クロプイ的存在のすべてがそうなるのです。段々の博物学教室に若い世代の男女がぎっしりつまっていてね。びっくりして、クロプイを見ているの。人類学的標本もあらわれて来て、そういうすべてのものが、まわりにウザウザしているなかでそういう未来の図絵を示される見物は何と大笑いに笑いながら、その非存在的本質を感じることか。
 部屋をかりに行ってね、先ず私はききました。南京虫いないでしょうか。するとおかみさんは、マア、とんでもない! と両手をひろげてね。どうして、一匹だっていやしませんよ。すると、そのとき、もう私はチクリと椅子のかげからやられて、思わず立ち上って、変な顔して笑いながら、「そうかしら、多分あなたのお部屋にはいないんでしょうね」と、退散いたします。その位は流暢なものよ。おひまに、この会話を翻訳ねがいましょうか?
 でも消毒されるのは何よりです、大チブス(リ
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