です。名は体をあらわす式で、あれを私が書き直したい(結局別もののようになりましたが、逆から云えばそれほど)と思っただけ、作品として主観的だったのです。私は大変愉快よ、あなたのお突きの正確さが愉快です。こんな小さい道を貫いて、作品のよまれもしない内奥までふれられてゆくところが。作者の気持いっぱいで、息をのんでいて、語りつくしていなくて。この例から見ても、簡潔ということが自然主義的平凡さとちがうという意味がよくうなずける次第です。
 題はそういう意味で本当にむずかしいと思います。つまるところはその人らしい題をつけるものですね。稲ちゃんの「くれない」「素足の娘」「美しい人たち」「女三人」「四季の車」みんななかなかうまいでしょう? 一つ一つ聞くとはっとする位しゃれた題です。いかにもその人でしょう、
〔欄外に〕前の頁半ぱに切って御免なさい。余り消すことになってしまったから。
 フィクションの題にすれすれで、そうでもないところ。その味。私はこういう題をつけられないけれど、内心はうらやましいことがなくもないのよ。そして、自分なりにいかにも自分らしいのを見つけたいと、いつも思います。そして、お手紙にか
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