後年何かであるということは決してないように思えて、面白いやらこわいやらです。
きょうは、三十年から四十年までの間をすこし、かき直したくて。その下ごしらえ。
きのう『明日への精神』の出版届けかきました。やっと出るのでしょう。あの黄楊《つげ》の印、覚えていらして? 出来たとき手紙に捺してあげたの、覚えていらして? あの字。あれを捺すのよ、どれにもこれにも。黄楊は丈夫な木で、かけないそうです。そして、それは女の櫛になります、黄楊の小櫛。
けさは、めをさまして、しばらく横になっていて、秋の朝の気持よいしずけさ、明るさ、すずしさをしみじみ感じました。そしてね、「朝の挨拶」という詩を思い出しました。朝、めのさめた子供が、活々とした顔をうごかしてまわりを見まわし、遊び仲間を見つけて、朝の挨拶に出かけてゆく、その足どり。それから訪ねられた女の子が、まだすこし眠たくて半ばうっとりとしながら一声一声に段々溌溂と目をさまして来る上気せた頬っぺたの朝の色。いろいろそういう描写を思い出し、やさしい心いっぱいでしずかに空を眺めている秋の朝と、そこから又別の詩がわくようでした。
この婦人作家の仕事は、本当に
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