れ、丁度自信のない女優のように手を叩かれるのをガツガツとするわけです。そういう文学ばかりもとめる。同時に、偉いなら金まわりがいいだろう、という結論にもなってね。いろいろ悲喜劇なわけでしょう。
 私は皮肉さや辛辣さは抱いて居りません。ぼんやりとして深い苦痛の感じがあるだけです。『大陸』という雑誌があるでしょう。そこにあの小学校先生の縁者という若い人がいて、その人がどういうわけか大層高く評価しているとかで、この間御婚礼のとき、あの面長の御主人は大変私に向ってエミアブルでした。あれやこれやがこんがらかるのね。全く荒磯の小舟波にただようのでしょう。
 あなたがこういうことも、まともな据えかたにおいて処置し、平俗なごたつきをすまいとなさるお気持はよくわかるし、私の好みでもないことです、余り月並でね(川柳にしては深刻すぎるが)。天質はそれなりに歳月を経ず、生活の具体的な作用をうけるところに悲しいところもあるわけです。いずれにせよ、きょうはじまったことでないし、又明日に終ることでもないのだから、誠意をもって、やってゆくばかりです。十年経ってこれだけ、この先の十年で、又その先の十年で、とそういう工合の
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