ちの買物なんかはシャンシャン出るようになりましたが、東京の暑さはあちらとはちがう由で(それはそうでしょう)大体体が元気ないから、余りベンレイして臥《ね》られると閉口故、岡林さんのことなんか私が月曜日にいたします。
 今年の夏はいろいろと面白い心持をけいけんします。
 暑い、だけど仕事はしなければならず、又したい。そういう気持のとき、暑さにおされて、味もそっけもない風にしているのを見ると、いやねえ。暑いときこそ気をきりっとして、眼もさやかというはりがないといやになる。しかもそういう人間の精気なんて、なかなか求めたって無理です。暑いときの清涼さは、人間の積極の力からしか出ないのね。女の身じまい一つにしたってそうよ、活々《いきいき》した気働きのないのは閉口ね。それにつけても、暑いときこそ私は出来る限りさっぱりとして見て頂かなくてはわるいわけね。同じ汗いっぱいにしろ快く汗一ぱいでなくてはね。この点私は何点頂けるでしょう。
 ところで汗一杯はいいけれど、そして汗もなかなか面白い、どっさりの思い出をもって活気汪溢です、けれど、机にすれて、小さいアセモが出来てピリつくのよ、困りましたこと。丁度右手の
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