拝見して、ああ家へかえって嬉しい、嬉しいとつづけざまに云いました。ところで、どう? 島田からの第一の手紙、つきましたろうか。
四日の御法事のことや六日の御婚礼のことや、くわしくお話したいから、又もう一遍かいて見ます。もし先のがついているにしろ、きっと全部同じというのでもないからお読めになるでしょうし。
こっちを三時の「さくら」で立ってね。島田へは朝八時何分。駅に浴衣がけの達ちゃんが出ていました。体なんかすっかりがっちりしてね。出る前からみると恰幅がついたというところです。店の外へお母さんが、おお来てあったと云って出ていらっしゃり、家へ入って見ればもう河村のおかみさんその他ふじ山の婆さんなど来て御法事料理をこしらえている騒ぎです。岩本の小母さんが総指揮役。何でも二十九日ごろからずっと御出張のよしです。
十一時に式がはじまり、野原のお寺の坊さんが来ました。この坊さんはこの間気がふれて畑で蛇をつかまえて、そこにいる人に喰えといって、くわなかったら自分で食ったそうです。でも今はケロリとしているのよ、そしてお経を二通りよみました。お祖母様の十七回忌の由です、だから二つなの。あなたの大好きな
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