。
これからはお母さんをお呼び出しして一緒に旅行するのが一番いい方法ということになりそうです。その方が周囲も気が楽でね。私たちは予定どおり十二日に立って十三日の午後東京へつきます。エーテル・マーニンというひとのこと、その婦人作家のこと月報ですか? 東京堂の。あの海鳥何とかいうところ? 何か微苦笑的対比があったの? 私はちっとも存じませんでした。イギリスの※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ージニア・ウルフだって小説のほか評論・感想いろいろ書いて居ります。外国のちゃんとした作家の活動の圏は皆その位です。マーニン女史のみならず。「街から風車場へ」は大学先生の甘さね、あの調子。実際、あの甘さは彼の白足袋とちょいと下げている合切袋趣味から出て居るものです、オウドゥウはああではないのですものね。おや多賀ちゃんがかえって来た、困った、富士もサクラもないらしい。今夕わかりますが。では又ね、呉々お大切に。
六月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 山口県島田より(封書)〕
六月十日 島田第三信
きのうはお墓詣りに出かけず、けさ早くおきてひる前三人で出かけました。お墓は元の畑の中の場所から引越して
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