ゃん、私、山崎の小父さま、一つ車にのって、高森というところの佐伯屋という料理屋へゆきました。そこへ行ってから又一しきりいろいろの打ち合わせで、式がはじまったのは六時頃でした。達ちゃん、黒い紋服袴でなかなかよく似合いました。二階の座敷二つぶちぬいたところへ先ずこちらの一統が並んで着席。すると、控間から父親代りの人がトップを切ってお母さんお嫁さん(裾模様、つのかくし)の手をかいぞえの髪結がとってしずしずとあらわれて、向い側に着席。仲人の挨拶があって「これはお嫁さんからのお土産でございます」と大ふくさをかけたものをもち出しました。こちらでは徳山の岩本の主人がモーニング姿で出て、目録をあけて見て、又しまって、四角四面なあいさつをします。何だか私はへーんな気になって、この美しくて儀式ばっていて、しかも野蛮なようなことがらを眺めました。お嫁さんの方だけお土産というものをもって、そして来るのですものね。それからお盃があって、それがすんで座を改めてお祝いの席に代る間写真をとりましたが、達ちゃんは流汗淋漓です、私も。坐っているのが苦しくて。殆ど気がボーッとなる位です、達ちゃんポロポロ汗を流し(足のいたい
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