から。女のひとのための教養の書という性質のものをまとめるつもりです、そして、うしろに読書案内をつけます、勿論私の知っている範囲なんてたかがしれていますけれども、それでも何かの役には立つでしょう。それに本年のうちに近代日本の婦人作家がまとまれば私として三種の活動がそれぞれまとめられるわけでまあ悪くもない心持です。金星堂のは松山文雄さんに表幀たのみます、松山さんは今自分の仕事に向ってもはり切っていますから。素朴だがいいと思うの。柳瀬さんのは、透明になりすぎていて、あの画境に疑問もあります。
『都』の「読者論」は、ともかく一生懸命かきました。一部の作家が三四年大衆のための文学と云って、同時に批判の精神なんか必要としていないと、読者の文化水準にかこつけて、その提唱者たちが自己放棄をしたときから、読者と作家との正当な関係は失われたこと、そのときから読者の生活は作者の生活的現実ではなくなったこと、そして、作家は制作から実務(ビジネス)にうつったこと、作家が、読者とのいきさつを正当にとり戻さない限り、読者は作家との正当なありようをもち得ないことなどをかきました。そして文学をてだてとして、常識の日常を
前へ
次へ
全590ページ中213ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング