づけのお手紙は、いろいろ大変面白うございます。ちょいちょいしたところが、おのずからちがったトピックのちがった語りかたとなっていて。わきに坐っていて、よそのひとと話していらっしゃるのをきいている面白さ、その面白さです。小説でいうと、題材が多すぎない程度でかかれている作品のゆとりのある面白さとでも申しましょうか。私はよくばりでしょう? オヤオヤと笑っていらっしゃるでしょう。でも私のこのよくばりは、自然なものとして自然承認されているのだから、相当でしょう? 私への一番いいおくりものだということは、国男君でさえ万々承知というのですから。
すっかり目白のところがきのが、一通あります。てっちゃん目玉クルリとさせて、肯いている。そんなものね。
スフ足袋物語、つめたいようでいつの間にかぬいで毛布に足を突こんでいらっしゃったという話。
覚えていらっしゃるでしょうか、いつか夜中勉強していておなかすいて来てゆで玉子をこしらえたら、何かの工合でむいたらカラについてしまって、まるでデコボコな妙な風になってしまったことがあったでしょう、あのとき、あなたへーんな顔して見ていらしたけれど、とうとうあがらなかった
前へ
次へ
全590ページ中200ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング