ら本当にちゃんとした手入れしてからでないと。よく不具な子をもったり白痴もったりしては生涯の不幸だから、そうでなくてもお嫁さんの足が曲らなくなったりしてはことですから、よくよく注意が肝要です。あるものとしての処置をすべきです。口さきでのきれいごとは誰にも通用しはしないのだから。そんなことですむ以上深刻なわけですから。
ここまで書いて、今はもう夜です。
おなかの苦しいのは癒って、よく夕飯をたべました。そして左腕に、もう種痘をしました。原価七厘(五人分よ)。それを薬屋では十銭に売ります。町の医者は一人前三十銭―一円とります。伝研に種切れで、きょうは五人分しか薬屋が届けて来なかった由。私のは生れて初めてのが、右に大きい紋になって一つあるきりです。つくかしら。ついたら痒くて閉口ね。その代り安心です。この間うちは人の集るようなところ随分さけて居りました。林町では浅草に近いから強制の由です。
この頃はお忙しいから「暦」も「素足の娘」も御よみになれないでしょう。「素足の娘」一人称で書かれているものです、若い(十六七歳の)娘が性的に目ざめて来る過程、その途上におこる予期しない或男の行為。そのことか
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