かあのひとたちのよろこぶものを送っておきましょう。お母さんにもお菓子お送りいたしましょう、サトウは一人宛十銭ですって。それも配給のあったときだけ。ですからお送りしたのでも大助りとのおよろこびです、今にそれよりはましになるそうです。
 達ちゃんから航空便が来ました由。いよいよかえる日が近づいた様子です。電報を打つと云ってあるそうですがそれは打てますまい。早ければ本月うちに任地を出発するだろうとのことです。よかったことね。全く安心です、かえった顔をお母さんはどんなに涙をたたえた眼で御覧になることでしょうね。
 そのとき私にきっとかえって欲しいとお思いでしょうが、この間手紙で申上げていたこと、考えておいて下さい。時間的には随分苦しいの。ですからもし行けばほんの三日ぐらいです。前後を入れて五日。しかしなろうことなら六月にまとめたいのですけれども。
 うれしいにつれてね、心配です。おわかりになるでしょう? 私が達ちゃんのどういう点を心配がるか。こっちで一度経験ずみだそうですから却ってましかもしれないが、もう単純ではないから、全く。すぐお嫁さん話で、もうお母さんもその一点をゴールですから、かえった
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