面白さというようなところでまとまれない。それは(まともさは)やさしく成長出来る筈のもので、しかし本来のそういう自然さがかけたときは一番まともにそれ(障害)につき当ってゆく種類のものですから。
ああ、でも本当にうれしいこと。
文学史の方、小林秀雄のところ、思い出される論点のつかみかたがあるでしょう? ああいうものは引用して活かすべきですが、それは出来にくかったから。引用より肉体的なわけだけれども。でも、お笑いになるでしょうね。余り私は理論的にかけないから。体あたりでばっかりやっているから。でも、生活的ではあるわ。そのことだけは確信があります。私の文芸批評がケタはずれなのは、他の人たちのようにそこに出ている作品の世界だけなでまわしていないで、ズカズカその人の作家としての人生へまで近づくからでしょう。これで、人生的深み、ゆたかさが加って来れば、やっぱり其でいい独自性がつくでしょうと思います。勉強する張り合がついて。何と気が楽になったでしょう。ああ、ああ、ああ。と頭の中がのびのびしてゆくようです。点がからくてどんな駄目が出ても、やっぱりよろこんで顎をのせてフムフムときいていそうよ。ききめがなくていけないとお思いになるでしょうか。大丈夫よ、私はキオクリョクはある方ですから。
今年は一つよく気をつけ、早ねを益※[#二の字点、1−2−22]励行して風邪引かずの冬を越したいと思って居ります。肺炎になったりするとこまるのよ、そのために必要な薬がありませんから。それからね、お恭ちゃんについて一つこまったことがわかったの、それはきょう申上げます。来年の春でもすぎたら、かえした方がよさそうなことがあるのです。健康上のことで。頭のことです。ですから、猶たっぷり眠らさなくては、ね。
私の例の表、おくれてしまいましたが、十月は甲が割合多いわ。甲七、乙一八、丙四、丁一。炭のないことから一層甲がますでしょう。それからね、大工を入れて、台所の水口の戸の羽目がくさってプカプカなのを直し、家の中の台所から茶の間へ入る仕切りのところやお恭ちゃんの部屋へ入る三畳の障子を内からの錠をつけます。いいでしょう? そうすれば相当安心です。それに石炭入れもつくるのよ、何しろ石炭というものは、石の炭というよりは大した大切なものになりましたから。
珍しく重治さんが卯女ちゃんつれて来ました。ではこれで一区切り。卯女
前へ
次へ
全295ページ中238ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング