つの出版協議会のような形になりつつあります。そこでは雑誌を八つまでの分科にわけて、たとえば婦人のためのものは第五、綜合雑誌の属すのは第七、いろいろその他に属せざるもの第八として、それぞれの分科委員会をやって、各分科代表を出そうというのだそうですが、全く大笑いなのは、『中公』は第五で『婦人公論』で当選、『改造』は短歌俳句で当選、第七に入っているのは『日本評論』『時潮』『公論』『日本及日本人』ですって、(『東朝』に出ていました)。ひどい下らない人間がゴソゴソしている証拠です、勿論こんな滑稽なことがそのまま通用しますまいが。『短歌研究』『俳句研究』が研究社の『英研』と一つかこいで、青年男女のためのものの中に入っているとは! 岩波の『文学』『教育』『哲学』が、博文館の将棋雑誌と一つ枠とは! 国辱ということを真面目に考えたことがあるのでしょうか。当今の策士は、日本を愛す真心なんてどこにもっているのでしょうと思います。十年二十年将来の日本を、どうなると思っているのでしょう。そういうことについて沈思しないおろかものが、フランスは文化主義でそのためにああなったというそらごとをおしつけるのでしょう。ゲーテはどうしてフランスに行ったでしょう、ねえ。
眼はよく気をつけています。それに、きょうは一日在宅だから、正規の方法で糖をしらべる仕度をして居ります。この間あなたが内科的のことをもしらべよとおっしゃったとき、春、ちゃんとしらべて大丈夫だったからいいと思いましたが、やっぱりたしかめます。一番こわいのはあれよ、うちで皆やって居りますからね。頭を使うのが一番よくないなんて。
それから、汗が出ないというのは何と体のつかれをへらすでしょう。ああ何とつかれていたろうと、今しみじみと八月を思いかえします。床のシーツがねまきをとおしてぬれるのよ。歩いてそちらに行っているとき、帯の下は洗ったようです。汗で力をすいとられるようでした。
汗の出なくなるって、何て力がたまるだろうと、この頃は(やっぱり汗はかくけれど)ホクホクです。御同感でしょう。
つたはまだしげって日よけに役立ちましょうか。
歯はいかが? もとなおしたのではないのでしょう。
きのうはあれから七時ごろ迄上野にいました。中島湘煙女史というひとは、漢学で教育されたのね。啓蒙的なことをむずかしい漢文の用語でかいています。漢詩もありました。そ
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