なんか書かなかったでしょうか。――きっと面倒だったのでしょうね。そうすると一ヵ月分ね。もうこの調子が既に或気分を表していてすみませんが、実はこの間大笑いよ、あなたへの手紙で本年からはもう体温表は御かんべんと書いたばっかりに、寿江子の伝言で体温表のことがつたえられたから。こうやって手帖を見ると、七日ごろまで普通で八日には六・八分で臥床。かぜがはじまっています。十二月は病気月だったから、別の紙に書いて見ましょう。しかし、これからの分は本当にもういいでしょう、平熱つづきだのに毎日計っているのは却って健康でないようで妙ですから。ね。
寿江子さんがおききして来た用件はそれぞれその通りにいたしました。手紙はどちらへも書きましたが、御本人はまだ見えません。
腹巻は、これから大いに珍重しなければなりません。毛のものはすべて。あれも(お送りしたのも)7.00 ぐらいであったのに 10.00 になっている。そちらで洗わず、うちで洗ってよくもたせましょう。
まるでちがう話ですが、この間から話そうと思って忘れていたこと。丁度二十八九日でしたろうか、寿江子が病院へ来て、一寸改った顔つきで、こんなものが来た
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