、皆工合がはっきりしません。一年のうち、この頃から八重桜のぼってりと咲く時分私は一番苦しい時です。食慾も一体に低下します。どうか呉々お大事に。
 私の薬のききめは、精神状態まで更新させるようです、きっと本当にそういうききめもあるわけですね。そちらにそれ位きく薬がおありになるでしょうか。いくらか利くのはあるでしょう、けれども。薬のききめが高まればよいと思います、綜合的なものだから。
 きのうは、お話していたように島田へ手紙かきました。甘いものは、お母さん、中村やの支那まんじゅうをお思いなのでしょうと考えついたので、お送りします。あれは大気に入りですから。達ちゃんへは、先のとき第二回のとき『抗日支那の解剖』を送りました。この間私が云っていたのは尾崎秀実の『今日の支那批判』というような本です。インフレーション問題だけ何冊かシリーズにしたのが出かけています、興味があるが達ちゃんはどうでしょう、一度お見になりませんか。隆ちゃんに会いたいことも、島田へかきました。寿江子はノミの工合は不明ですが、子供たちを相手に暮している様です、あちらにいると夜九時に眠ります。東京へかえって来ると眠れなくなる由、寝
前へ 次へ
全766ページ中223ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング